3. インストール¶
3.1. DDSKK のインストール¶
ここでは、UNIX 上で make が利用できる環境 [1] を想定します。
まず、DDSKK のアーカイブ ddskk-VERSION.tar.gz
を tar と
gzip を使用して展開します。
% gzip -cd ddskk-VERSION.tar.gz | tar xvf -
次に、DDSKK のトップディレクトリ [2] をカレントディレクトリにします。
% cd ddskk-VERSION
3.1.1. GNU Emacs へのインストール¶
まずは、DDSKK がどのディレクトリにインストールされるのか確認するために
what-where
を引数に make を実行しましょう。
% make what-where
-| emacs -batch -q -no-site-file -l SKK-MK -f SKK-MK-what-where
-| Loading /home/USER/temp/ddskk-VERSION/SKK-CFG...
-| Running in:
-| GNU Emacs 26.0.50 (build1, x86_64-pc-linux-gnu, GTK+ Version ...
-| SKK modules:
-| skk-cursor, skk-viper, ...
-| -> /path/to/emacs/site-lisp/skk
-| SKK infos:
-| skk.info
-| -> /path/to/share/info
-| SKK tutorials:
-| SKK.tut, SKK.tut.E, NICOLA-SKK.tut, skk.xpm
-| -> /path/to/share/skk
emacs の実体ファイルを特定することもできます。
$ make what-where EMACS=/Applications/Emacs.app/Contents/MacOS/Emacs
また、DDSKK のインストール先ディレクトリを変更したい場合は、ファイル SKK-CFG
を
編集してください。編集後は必ず make what-where
を実行して表示内容
を確認してください。
次にスーパーユーザになって、
$ su
% make install
と実行すると、実際に DDSKK がインストールされます。
あるいは、一般ユーザが自分の home directory を root directory として DDSKK をイン ストールするには、
% make install PREFIX=~/
と、 PREFIX
を指定して make を実行します。
特定の Emacs を指定する場合は、
% make install EMACS=mule
と指定します。
3.1.2. 対話的なインストール¶
DDSKK 14.3 では「対話的インストーラ」が追加されました。
まず M-x dired とキー入力して dired を起動してください。このとき、ディレク トリを問われますので、先に述べた「DDSKK のアーカイブを展開したディレクトリ」を指 定してください。
------ Minibuffer -------
Dired (directory): ~/temp/ddskk-VERSION RET
------ Minibuffer -------
次に、表示されたディレクトリ一覧の SKK-MK
にカーソルをあわせて L
(アルファベットのエルの大文字)を打鍵してください。
------ Dired -------
-rw-r--r-- 1 user user 99999 2011-00-00 00:00 SKK-CFG
-rw-r--r-- 1 user user 99999 2011-00-00 00:00*SKK-MK "L"
drwxr-xr-x 1 user user 99999 2011-00-00 00:00 bayesian
------ Dired -------
プロンプト Load SKK-MK?
には y を打鍵してください。
以降、インストーラが表示する質問に答えながら DDSKK のインストールを進めてください。 なお、パーミッションは一切考慮していませんので、インストール先は書き込み権限を有 するディレクトリを指定してください。
3.1.3. MELPA によるインストール¶
2014年12月、 MELPA [3] に DDSKK が登録されたことにより、 GNU Emacs で も package.el [4] によるインストールが可能となりました。
詳細については、次のドキュメントを参照してください。
https://github.com/skk-dev/ddskk/blob/master/READMEs/INSTALL.MELPA.md
3.2. 辞書について¶
DDSKK を使用するには、いわゆる辞書(主にかなと漢字の対応を記述したデータ)が必要 です。
DDSKK 14.2 からは、 GNU Emacs 同梱の辞書データ ja-dic を利用したかな漢字変換に対 応しましたので、SKK 辞書ファイルを別途インストールしなくても最低限の使用ができま す。
しかし、 ja-dic は、 GNU Emacs の入力メソッド LEIM のためにファイル SKK-JISYO.L
か
ら変換して生成されたものであり、英数変換や数値変換などのエントリ、および「大丈夫」
など複合語とみなし得る語が大幅に削除されています。
そのため、ファイル SKK-JISYO.L
を利用したかな漢字変換と同等の結果は得られません。
有志の知恵を結集して作られている各種 SKK 辞書は便利ですから、是非入手してインスト ールしましょう。
3.3. 辞書の入手¶
次のサイトには、様々な辞書が用意されています。
以下は、その一例です。
SKK-JISYO.S | S 辞書(主に単漢字が登録。最小限必要な語を収録) |
SKK-JISYO.M | M 辞書(普通に使う分には足りる程度) |
SKK-JISYO.ML | M 辞書と L 辞書の中間のサイズの辞書。
L 辞書収録語の内、EPWING 辞書やオンライン辞書で正しいと判別された語をベースにして加除。
|
SKK-JISYO.L | L 辞書(あらゆる単語を収録) |
zipcode | 郵便番号辞書 |
SKK-JISYO.JIS2 | JIS X 0208 で定められている第2水準の文字を、部首の読みを見出し語として単漢字を収録した辞書 |
SKK-JISYO.JIS3_4 | JIS 第3水準、第4水準の文字に代表される、JIS X 0208 には含まれないが JIS X 0213 には含まれる文字及びそれらを含む語録を収録した辞書 |
SKK-JISYO.public+ | public+ 辞書 |
SKK-JISYO.edict | edict 辞書(英和辞書) |
SKK-JISYO.lisp | |
SKK-JISYO.wrong | S, M, L 辞書に既に登録されていたが、間違いであったことが判明したために削除された単語を収録 |
注釈
一部の辞書は、著作権が GNU GPL v2 ではありませんのでご注意下さい。詳細は、次の 資料を参照して下さい。
-
M-x skk-get
¶ Emacs の使用中に M-x skk-get と実行すると、辞書ファイルを一括ダウンロー ドすることができます。プロンプトが表示されるので、ダウンロード先のディレクトリを入力 してください。
-
defun
skk-get
&optionalDIRECTORY
skk-get
を関数として使用することで、ユーザプログラムの中からで も辞書ファイルを一括ダウンロードすることができます。
(skk-get "~/jisyofiles")
3.4. 辞書を DDSKK と同時にインストールする¶
DDSKK のソースを展開すると、中に dic
というディレクトリが存在します。
ファイル SKK-JISYO.L
などをこのディレクトリにコピーしてから make install
を
実行すると、辞書ファイルがチュートリアル (SKK.tut
) と同じディレクトリ [5]
にインストールされます。
具体的なインストール先は make what-where
を実行すると表示されます。
-| SKK dictionaries:
-| SKK-JISYO.lisp, SKK-JISYO.zipcode, SKK-JISYO.office.zipcode, ...
-| -> c:/emacs-24.5/share/emacs/24.5/etc/skk
dic
ディレクトリに辞書ファイルを置くためには make get
と実行す
る [6] のが簡単です。
3.5. 辞書サーバの入手¶
辞書サーバはオプションです。辞書サーバが無くても DDSKK は動作しますが、特に辞書の サイズが大きい場合は辞書サーバを利用することで省メモリ効果を得られます。また、辞 書サーバによっては複数辞書の検索、EPWING 辞書の検索ができたりするものもあります。
DDSKK は特定の辞書サーバの実装に依存していませんので、下記の辞書サーバのいずれで も動作可能です。ソースやバイナリの入手、インストールについてはそれぞれのウェブサ イトをご参照下さい。
脚注
[1] | Microsoft Windows 環境では makeit.bat を使用することで、UNIX と
同様の操作でインストールできます。ファイル READMEs/README.w32.ja を
参照してください。cygwin 環境をインストールされている方は make
が使用できるので、本文の解説がそのまま当てはまります。Apple macOS 環境の
方はファイル READMEs/README.MacOSX.ja を参照してください。 |
[2] | ファイル ChangeLog やファイル Makefile が置かれているディ
レクトリです。 |
[3] | Milkypostman's Emacs Lisp Package Archive. |
[4] | GNU Emacs 24 以降で標準で搭載されています。GNU Emacs 23 以前では手動でイ ン ストールする必要があります。 http://wikemacs.org/wiki/Package.el |
[5] | /usr/share/skk や c:/emacs-24.5/etc/skk など |
[6] | Microsoft Windows 環境では makeit.bat get と実行します。 |